録音のエピソードをいくつか。
「アラブへの道」は僕の大学時代の作曲で、最初は「スラブへの道」だった。が、中塚先生の指摘で何か中東っぽい臭いが強いんじゃないの? と言われこうなった。地理的なことも分からなかったが、96年にセネガルに行ったときアラブの音楽に接し少し分かってきた。しかし父が興味を持ってたスラブへの憧れもあり「スアラブへの道」と改名。このCD録音時アフリカに行った影響が大きく出てついに「アラブへの道」に。アイラブ・アラブ!
問題は「小さな雲」。ブルガリアの曲なので、こっちはスラブ系。アドリブが一聴「アラブへの道」と似てるんですけど、微妙にスとアの差を出してみたつもり。ブルガリアやルーマニアのドラキュラ伝説、ゾンビ伝説を持ってこようとバックでスラブ的恐怖をあおります。十分過ぎるほど出してくれて、僕はアドリブをとりながら鳥肌がたっていました。
‥‥‥‥明田川荘之(ライナーノーツより)
曲目
1.ドレミファ・ブルース
2.楽しいクリスマス
3.ていんさぐぬ花
4.A列車で行こう
5.今こそ別れ
6.賛美歌104番
7.アラブへの道
8.アイ・クローズ・マイ・アイズ
9.鳥は鳥に
10.南部牛追い唄
11.グロリア
12.セント・トーマス
13.アサドヤユンタ
14.小鳥のワルツ
15.もっと楽しいクリスマス
16.気のいいアヒル
17.小さな雲
18.賛美歌103番
19.オカリーナの楽しみ
20.悲しき天使
21.ブルー・オカリーナ・ブルース
演奏者プロフィール
明田川荘之,ocarina:1950年、東京都出身。立教大学卒業。ピアニスト、作編曲家、オカリーナ製作および奏者。
日本オカリーナの父、彫刻家故・明田川孝の長男で、国内外の公演やTV・FM出演、文筆業など幅広い分野で活躍している。父の意志を継ぎ現在オカリーナの研究製作および演奏活動を通じて後進の育成に力を注いでおり、日本オカリーナ界の中心的人物となっている。
自身ジャズ・ミュージシャンであり、オカリーナをジャズに導入するなど、独自の奏法や芸術性で信奉者を多く持っている。60年の伝統を誇る「アケタオカリーナ」、25年の歴史を持つライヴハウス「アケタの店」、ジャズとオカリーナのレーベル「アケタズ・ディスク」などを構え、総じて(株)アケタの代表。アケタは氏の愛称。
リーダー作『わっぺ』(オーマガトキ)
『旅』(AKETA'S DISK) 他
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