オカリーナの父・明田川孝が生前愛聴または愛奏したのがオーヴェルニュの歌です。孝にとってはこの曲集がオカリーナによってレコード化されることは夢のような話であったに違いありません。それを孝の弟子である中塚氏が受け継ぎ実現したというものです。
オーヴェルニュの歌とは……。オーヴェルニュは南フランスのオーヴェルニュ地方のことで、そこには古くから魅力的な沢山の民謡がありました。その民謡を当地出身の作曲家カントループ(1879〜1957)が採集・分類・オーケストレーションを加え発表、世界的な反響を呼びました。それらの優れた多くの民謡は、その後も様々なオーケストレーションでレコード化され、声楽分野においても不朽の作品となりました。
ここでは佐山雅弘の従来のイメージとは異なる二重奏という新しいアレンジによって、そのオーヴェルニュの歌がよみがえります。心にしみわたるこれら曲群が中塚氏の力演で時にユーモラスに、時に哀愁を持って、最高に味わい深く仕上がっています。
(ライナーノーツより)
曲目
1.バレイロ
2.鳥の中でも一番は
3.オーアー
4.リムージのほとり
5.夢みる美しい人よおきなさい
6.墓場で take1
7.紡ぎ女
8.私のいい人
9.私たちの羊はどこに?
10.捨てられた女
11.カッコー
12.せむし
13.おまえが愛してくれたら
14.うぐいすは歌う
15.羊飼いの乙女
16.うずら
17.子守歌
18.墓場で take2
演奏者プロフィール
中塚純二,ocarina:昭和6年6月21日生まれ。東京教育大学、現・筑波大を卒業。現在、世界におけるオカリーナ制作者兼演奏者の中で最高峰に位置づけられる。日本オカリーナの父、明田川孝のオカリーナの弟子として孝の長男・明田川荘之と共にアケタ・オカリーナ工房を長きに渡り支えている。オカリーナの演奏指導も長く、多くのお弟子さんがいる。
リーダー作『オカリーナの魅力』(ユピテル)
『出船』(AKETA'S DISK) 他
佐山雅弘,piano/arr:昭和28年11月26日生まれ。兵庫県尼崎市出身、国立音大作曲科卒。ジャズ・ピアニストとして知られた存在であるが、アレンジャー、キーボード奏者としても優れた才能を発揮。ロック、ポップスまで幅広いジャンルで活躍する売れっ子。ここでは元来声楽とオーケストラによる民謡を見事に二重奏作品にアレンジ、大変な難作業をこなしている。
リーダー作『プレイ・ミー・ア・リトル・ミュージック』(JVC)
『GOMBO』(JVC)他
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