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『室蘭アサイ・センチメンタル』 '94年作品
●AKETA'S DISK/PLATZ PLCP-59(AD-37CD)
"Muroran-Asai Sentimental" \2,913+tax

 

明田川荘之(p,ocarina)、山元恭介(b)、楠本卓司(ds)

 交通事故で生死の境を見たアケタが、
 演奏人生の転機をうかがわせる貴重なドキュメント!
 直後ギブスをつけたまま行ったライヴの模様を捉えたもので
 室蘭の情景をバックにアサイ君への思いを綴った
 究極のセンチメンタリズム!

 93年6月1日。東北白河高速において死寸前の交通事故により右足を骨折、即入院となった。このCDを録音した94年1月31日も、まだ1日おきのリハビリ通院中で右足には釘が6本入ったままだった。その釘を5月再入院での手術で取るという状況で、なにしろ粉砕骨折の重傷だったのだ。なんとか足はひきずらずに済むようである。
 これは僕にとって人生ひとつの転機となり、月並みですが死と隣り合わせにある「生きる」ことを考えさせられました。演奏するという行為においてそれがどういう意味や価値を有するか分からないのですが、ますますうつ状態というか悲しみ、精神性の深みに自然と向かっていってしまうのです。またそれが演奏意欲とも合致します。悲しみだけでなく喜びも笑いも怒りも、感情の高潮すべてを以前よりますます音にぶつけたい、ということのようです。これ、ストレスがたまってるということ?
 僕の場合、感情のうちの多くは悲しみに向かうらしい。少なくとも音楽屋は暗い土壌がなければいい物は生まれない、と思います。それは悪玉ではなく善玉ストレスだと思う。そんなさ中に行われたレコーディングがこれで、運良く暗い土壌で目一杯自分を捉えているように思います。

‥‥‥‥明田川荘之(ライナーノーツより)
 
 
「ストレンジ・ウッド・ブルース」(B♭調)
昔作った曲でストレンジ=珍、ウッド=木、つまり珍奇なブルースという意味。僕お得意のブルース・パターンで減5度テンション理念のもとクロマティック的無調が大きく支配する。要するにメチャクチャ?
 
「ディア・オールド・ストックホルム」(Dm調)
有名なスウェーデン民謡。スタン・ゲッツがアレンジして一躍ジャズのスタンダードに台頭した曲。何と言ってもバド・パウエルの『イン・パリス』に最高の演奏が聴かれ、そのパウエル先生にもひけをとらないパフォーマンスがここに!
 
「アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリー」(G調)
前曲と同様僕の十八番、かつ語り尽くされたスタンダード・ナンバー。『山崎ブルース』というLPで一度吹き込んだことのある作品。ここではオカリーナに託した哀感と、瑞々しいその音色を感じてほしい。
 
「室蘭アサイ・センチメンタル」(Cm調)
アサイとは「アケタの店」第5代マネージャー浅井樹之君のこと。曲名はこの曲が完成した時、浅井君がそこにいて、勝手に自分の名前つけてしまったわけ。彼は本が好きな知的な人物で、メガネの奥から見える知的な瞳にはいつも陰影がつきまとった。現在は故郷の室蘭にいるが、僕も好きな室蘭の情景とともに浅井君への万感の思いをつづった。
 
‥‥‥‥曲解説(アケタ本人による)

エピソード:ジャケットはアケタの親バカといいますか、上の娘(歩ちゃん)の絵と、下の娘(蘭ちゃん)の題字を使っています。歩ちゃんが小学4年の時のこの絵は、彫刻家でもあった祖父孝の血をひいたもので、タイトルどおりセンチメンタルな雰囲気を醸し出しています。キツネというより浅井君、あるいはアケタ家で飼っている愛犬タロー(シェルティ)のほうに似ているのだそうです。そしてアケタいわく、蘭ちゃんの題字は蘭の部屋=室で書かせたので室蘭だ、これで完成! とのこと。
ススキの野原で遊ぶキツネは、すすき野で豪遊する浅井君という解釈もあるのだとか。


曲目

1.ストレンジ・ウッド・ブルース
2.ディア・オールド・ストックホルム
3.アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリー
4.室蘭アサイ・センチメンタル

録音
1994年1月31日
「アケタの店」にてライヴ収録


演奏者プロフィール

明田川荘之,ocarina:1950年、東京都出身。立教大学卒業。ピアニスト、作編曲家、オカリーナ製作および奏者。
日本オカリーナの父、彫刻家故・明田川孝の長男で、国内外の公演やTV・FM出演、文筆業など幅広い分野で活躍している。父の意志を継ぎ現在オカリーナの研究製作および演奏活動を通じて後進の育成に力を注いでおり、日本オカリーナ界の中心的人物となっている。
自身ジャズ・ミュージシャンであり、オカリーナをジャズに導入するなど、独自の奏法や芸術性で信奉者を多く持っている。60年の伝統を誇る「アケタオカリーナ」、25年の歴史を持つライヴハウス「アケタの店」、ジャズとオカリーナのレーベル「アケタズ・ディスク」などを構え、総じて(株)アケタの代表。アケタは氏の愛称。
リーダー作『わっぺ』(オーマガトキ)
     『旅』(AKETA'S DISK) 他


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