中塚純二の人生はイコール、オカリーナの歴史そのものであると言ってもよい。製作者としても40年以上のキャリアがあり、氏は演奏者でなく笛作り職人と呼んでくれとよく言っている。しかし彼こそ史上最高の名奏者と言って間違いない。その膨大な人数と思われるオカリーナのお弟子さんたちは、ほとんどが中塚氏の音色の魅力にひかれて入ってきたり、ずっと続けたいという気持ちになったわけなのだから。
今回は僕の企画で中山晋平をはじめ大正〜昭和初期の日本のメロディを中心に、ジャズを主として活躍するギターの名手・津村和彦氏とのデュオで、簡潔なる素の日本の心をめざしてみた。どの曲も息がぴったりなのだ。
‥‥‥‥明田川荘之(ライナーノーツより)
曲目
1.茶摘
2.波浮の港
3.めだかの学校
4.早春賦
5.歌の町
6.平城山
7.通りゃんせ
8.雨ふり〜雨降りお月
9.真赤な秋
10.荒城の月
11.海
12.春の唄
13.黄金虫
14.浜辺の歌
15.七夕さま
16.月の砂漠
17.あの町この町
18.春の唄〜春が来た
19.砂山
20.みかんの花咲く丘
21.人を恋うる歌
22.かもめの水兵さん
23.花影
24.せいくらべ
25.出船
26.叱られて
演奏者プロフィール
中塚純二,ocarina:昭和6年6月21日生まれ。東京教育大学、現・筑波大を卒業。現在、世界におけるオカリーナ制作者兼演奏者の中で最高峰に位置づけられる。日本オカリーナの父、明田川孝のオカリーナの弟子として孝の長男・明田川荘之と共にアケタ・オカリーナ工房を長きに渡り支えている。オカリーナの演奏指導も長く、多くのお弟子さんがいる。
リーダー作『オカリーナの魅力』(ユピテル)
『オーヴェルニュの歌』(AKETA'S DISK) 他
津村和彦,g:昭和32年3月21日、大阪府寝屋川市生まれ。パット・メセニーに影響を受ける日本ジャズ・ギター界の第一人者であるが、その活動範囲は広い。抱負は精神的向上を心がけること。このアルバムでは素朴なオカリーナの音を引き出す、素晴らしいアレンジングも担当している。
リーダー作『ウォーター』(AKETA'S DISK) 他
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